慰謝料・損害賠償

交通事故の被害に遭った場合、損害賠償請求を行うことになりますが、その対応に悩まれる方は少なくありません。
このページでは、交通事故に関するテーマのなかから、慰謝料と損害賠償についてご説明いたします。

■慰謝料と損害賠償
交通事故の被害に遭った場合、損壊した自動車の修理代金や、怪我の治療のための入院費用や通院費用など、多くの費用が発生します。
こうした費用負担のために、相手方に対して損害賠償請求を行うことが一般的です。
交通事故における損害賠償請求には、精神的損害についての損害賠償と、財産的損害についての損害賠償請求があります。
精神的損害についての損害賠償は、慰謝料のことをさします。
財産的損害についての損害賠償請求は、さらに積極損害と消極損害に分けられます。積極損害とは、交通事故の被害に遭わなければ支払う必要のなかった費用についての損害であり、消極損害とは、交通事故の被害に遭うことで減少した将来的な収入についての損害をさします。

■事故の種類と損害賠償
損害賠償請求の項目や金額、方法は、事故の種類によって大きく異なります。
人に被害がなかった物損事故の場合には、原則として慰謝料の請求は認められていません。また、自動車損害賠償保障法（自賠法）が適用されないため、民法上の不法行為責任として損害賠償請求を進めることになり、相手方に故意または過失があったことを被害者が立証しなければなりません。

人が怪我を負った人身事故や、被害者が亡くなられた死亡事故の場合は、自賠法が適用されるため、加害者が自身に故意や過失が無かったことを証明しなければなりません。
人身事故の場合には、入院や通院の日数に応じた入通院慰謝料を請求することが認められています。また、入院や通院に要した費用について交通費なども含めて請求することができます。なお、怪我が重く、後遺症が残ってしまう方もいますが、後遺障害として等級認定を受けることで、後遺障害についての慰謝料や逸失利益を請求することが認められています。
死亡事故の場合には、亡くなられた被害者と残された遺族に対する慰謝料を合わせた死亡慰謝料を請求すること、被害者の逸失利益についても請求することが認められています。特殊な損害賠償の項目として、葬儀費についても300万円程度を上限に請求が認められています。

■慰謝料の算定基準
慰謝料の算定基準は３つあります。
1つ目は、自賠責基準とよばれる基準で、自賠責保険会社が利用する算定基準です。自賠責保険基準は、３つの基準のなかでも最も基礎的な金額しか算定されません。
2つ目は、任意保険基準とよばれる基準で、任意保険会社が各社で設定し、利用している算定基準です。任意保険基準は、３つの基準のなかで住管に位置しますが、自賠責基準よりやや高い金額が支払われるとされています。
3つ目は、弁護士基準とよばれる基準で、弁護士が利用する基準です。３つの基準のなかで最も手厚く、高額な慰謝料が算定されます。

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